1993年(平5)のJリーグ初年度から参加する「オリジナル10」の中で、最上位カテゴリーから1度も陥落したことのない2クラブ、鹿島アントラーズと横浜F・マリノスが東京・国立競技場で対戦し、横浜が逆転負けした。

「THE国立DAY」として、現在2位の鹿島が聖地に13位横浜を迎え撃った一戦。前節、柏レイソル戦でハットトリックのFWアンデルソン・ロペスが開始10分で先制したが、後半3失点。後半追加タイムのFW植中朝日弾も遅かった。

試合途中から、スローイン妨害と主張するプレーや失点時のハンド有無、ファウルを受けた振りをするダイブの見逃しがあった、など主審の判定に対して激高を繰り返していたハリー・キューウェル監督(45)。敗戦後の会見でも、怒りを隠せなかった。

「とにかく、長くしゃべりたくないです。サッカーのルールの正解が分からなくなっています。前半も後半も(不可解な)判断がありましたし、スローインの局面も(投げようとする横浜選手の前に鹿島の選手が)走ってきて目の前でジャンプした。でも、笛が吹かれることもなかった。ゲームに対する話をしてほしいと思いますが、あまり話すことがない。それよりもジャッジ、レフェリーの部分で不公平に見えました。その部分を話したい。日本に来て、Jリーグのルールで頑張っていますが、理解に苦しんでいる段階であります。とにかく悔しい気持ちでいっぱいです」

「試合を見ていただければ分かりますが、最初の失点部分はハンドがありました。試合の中でも、自分たちがファウルを取られることが多かった。ちょっと触っただけで『ピッ』。それでいいのかな? という思いが正直あります。(3失点目も)ダイブがありました。わざと転んでファウルを誘うことは、VARの前はあった。でも今は『そういうことはやめていこう』という時代の中で、起きている。2点目は、どういう失点だったか。頭の中がグルグルしているので覚えていませんが、とにかく悔しいです」

「我々の選手はハードワークを、疲れていても怠らないです。いいレベルでやれている自負はあります。その中で、我々に対してはロングボールが多い。怖がってくれているんでしょうけど、パスで戦えると言うなら戦ってくればいいし、でもロングボールを続けてくるんですけど、我々は間違っていない。やるべきことを変えずに続けるべきだし、しっかり結果を残していきたい。もちろん、鹿島は歴史ある素晴らしいチームです。結果、ここで自分たちが負けたから、どうこうはない。やっていくだけなので。悔しい思いでいっぱいです」

報道陣から「確かに今日のレフェリーは不安定だったように思う。一方、この批判は今日の審判に言いたいのか、Jリーグのジャッジ全体に言いたいのか、どちらか」と質問されると、こう答えた。

「自分が試合中、テクニカルエリアでワーワー言ったのは、自分たちのチームに対してではなく、相手に対してでもなく、ジャッジに…。『何で、ああなっちゃうの?』とワーワーなってしまっています。正直、私だって落ち着いてやりたい。フェアなら、ああならない。この4試合ぐらい、いろいろなものが見えたなと」

「試合が終わった後に質問をしました。スローインの場面で、あんな(妨害と取れる)ジャンプをして向かってくる場面なんて見たことないし、なぜ許されるのか聞いたら、レフェリーは自分に警告を出した。私は小さいころからサッカーをやってきて、この素晴らしいスポーツを今は指導者としてやっていこうという中、最高のスポーツを正しい方法でプレーしたいと思っているだけなのに、こういう風になってしまって残念です。現代サッカーにフィジカルは求められます。それは汚いプレーではなくて、ぶつかる際の強さは必要です。その中で、どう自分たちのサッカーを出していくか。後半の20分間だけ相手の流れになってしまって、残念な結果になって、本当に悔しいです」