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「原爆の図」の丸木位里、画業初期の美人画 1920年代初頭か 広島の親族宅で発見(中国新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 「原爆の図」で知られる広島市安佐北区出身の画家丸木位里(1901~95年)が画業最初期の1920年代初頭に描いたとみられる美人画が、安佐南区の親族宅で見つかった。位里の初期作品は若き日に広島県内の神社へ奉納した絵馬がわずかに確認できるものの、ほとんど残っていない。専門家は「位里が美人画を描いていたことはあまり知られておらず、初期画業の空白を知ることができる貴重な作品」と話す。

 丸木位里の画業に詳しい奥田元宋・小由女美術館(三次市)の永井明生学芸員が確認した。美人画は縦98・8センチ、横48・7センチ。華やかなひとえを身に着けた女性が、桜をめでる様子がしっかりとした色彩で細やかに描き込まれている。

 位里は1923年春、上京して日本画家田中頼璋に師事した。だが形式化した日本画の修業になじめず、また9月に関東大震災も発生したことからすぐに帰郷している。サインの書体や「頼」の字が入った印章などから、この時期に描かれた作品と考えられるという。

 位里のおいに当たる安佐南区の小田芳生さん(78)が、父親で位里の弟・宜三さん(2002年に96歳で死去)の持ち物を整理していて発見した。「珍しい作品で驚いた。文房具店を営み、表具師として表装の仕事をしていた父は、位里さんの作品を地元の名士に紹介したりしていた。その過程で父の手元に残ったのではないか」と話す。

 ほかにもほぼ同時期に描かれた南画や、1930年代に制作された浜崎左髪子、末川凡夫人たち広島の美術史を語る上で欠かせない画家らとの親密な交流を示す合作も確認した。

 永井学芸員は「さまざまな試みを経て水墨画家となった位里の歩みが、作品で裏付けられる」と話す。これらの作品は4月25日から同美術館で開く丸木位里展で公開する。

中国新聞社

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January 04, 2020 at 06:00PM
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